多死社会において葬儀社としてできること

死亡者数の増加を背景に、終活の重要性が高まっている状況を受けて、今後の展開を考えるにあたっては、以下の3つの方向性で多角的なアプローチを進めることが考えられます。

時代はデジタルです。
デジタル管理されるとだいぶ楽になります。
まして、自筆証書遺言書では、現在財産目録は日々変化するのでパソコンを活用して印刷したものも認められています。

1. サービスの多様化とパーソナライズ化

終活のニーズは個々人で異なるため、幅広い選択肢を用意し、個人の状況や希望に合わせたサービスを提供することが重要です。

  • 遺言・相続サービス:
    • 公正証書遺言の作成支援: 専門家(司法書士や弁護士)との連携を強化し、遺言書の作成をサポートするサービスを提供します。
    • 財産目録の整理支援: デジタルツールを活用して、預金口座や証券、不動産などの財産を一覧化するサービスを提供し、家族の負担を軽減します。
    • 夫婦向けプラン: 遺言書を夫婦で一緒に作成する割引プランなど、複数人で準備を進めるためのサービスを用意します。
  • デジタル遺産整理サービス:
    • オンライン資産の管理: サブスクリプションサービスやSNSアカウントの解約、オンライン取引に関するパスワード管理などを支援するサービスを拡充します。
    • データ移行・復旧: 故人のデジタル機器内の写真や動画などのデータを、遺族がアクセスしやすい形で保存・移行するサービスを提供します。
  • 葬儀・供養サービス:
    • 多様な葬儀形式の選択: 家族葬や一日葬、火葬のみを行う直葬など、個人の希望や予算に合わせた葬儀形式を提案するプランを充実させます。
    • 生前の事前準備サポート: 葬儀社との連携により、エンディングノート作成支援や葬儀費用・形式の事前相談サービスを提供します。
  • 総合的な終活サポート:
    • ワンストップ窓口: 遺言、葬儀、デジタル整理など、複数の専門分野にまたがる終活全般を一括して相談できる窓口を設けます。
    • ライフプランナー制度: 終活ライフケアプランナーのような専門資格を持つ人材を育成し、利用者のライフプランに寄り添った継続的なサポートを提供します。

2. ターゲット層に合わせたアプローチの強化

終活への意識やニーズは世代によって異なります。
それぞれの層に合わせた情報発信やサービス設計が重要です。

  • 高齢者向け:
    • 専門家との対面相談: ITに不慣れな層向けに、弁護士や司法書士といった専門家による対面での個別相談会を定期的に開催します。
    • 地域コミュニティでの啓発活動: 地域の自治体や社会福祉協議会と連携し、終活セミナーや相談会を身近な場所で実施します。
  • 中年世代向け(「親の終活」に関わる層):
    • オンライン情報提供: 仕事や育児で多忙な世代に向けて、WebサイトやSNSで終活に関する基本知識や手続きの進め方、親との話し方などを分かりやすく解説します。
    • オンライン相談: オンラインでの無料相談会や相談窓口を設け、隙間時間でも気軽に相談できる環境を整えます。
  • 若年層向け(「自身の終活」に関わる層):
    • デジタル資産継承サービス: デジタルネイティブ世代向けに、ゲームアカウントやオンライン上の資産を管理・継承するサービスを訴求します。
    • エンディングノートのアプリ化: スマートフォンアプリとしてエンディングノートを提供し、いつでも手軽に終活の記録ができるようにします。

3. ITと専門家ネットワークの活用

効率的かつ質の高いサービスを提供するためには、テクノロジーと人的リソースを組み合わせることが不可欠です。

  • AI・IT技術の活用:
    • AIによる遺言書作成支援: AIを活用した遺言書作成アシスタントを開発し、法的要件を満たした遺言書の作成をサポートします。
    • オンライン相談プラットフォーム: 専門家とユーザーをつなぐオンライン相談プラットフォームを構築し、地理的な制約をなくします。
  • 専門家ネットワークの構築:
    • 多分野の専門家連携: 法律(弁護士、司法書士)、税務(税理士)、金融(信託銀行)、葬儀、遺品整理など、多岐にわたる専門家と提携し、ワンストップで解決できる体制を構築します。
  • 情報提供と教育:
    • ウェブサイト・メディア運営: 終活に関する正しい知識や最新情報を発信するウェブサイトやブログを運営し、信頼性の高い情報源としての地位を確立します。
    • 動画コンテンツ: YouTubeなどを活用し、専門家による解説動画や終活体験者のインタビューなどを配信し、関心を喚起します。

これらの展開を通じて、終活を「死への備え」としてだけでなく、「より良く生きるための前向きな活動」として社会に浸透させていくことが、今後の成長につながると考えられます。

各項目について、今後説明していきたいと考えています。


参考文献

https://www.smbc.co.jp/kojin/digital-safetybox/labo_no0002

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000199.000041838.html

https://www.san-hd.co.jp/ir/market.html